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名前
黄楊(つげ)
別名
豆介(つげ)
学名
Buxus microphylla var. japonica
分類詳細
ツゲ科ツゲ属 常緑低木
3〜4月
1〜3m
櫛 印判 算盤玉 版木 将棋の駒
 右の万葉集の歌で、和名の黄楊が初めて登場して、平安時代中期に作られた辞書である『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』では、
「黄楊。和名、豆介(つげ)」
 となっている。
 黄楊の名は「次(つぐ)」が変化したという説と、葉が層をなして蜜につぎつぎにつくためという説がある。材は緻密で硬い。
 黄楊と間違いやすい植物に、モチノキ科のイヌツゲがある。それぞれの違いを見抜くには葉の生え方を見ればいい。

●ツゲ―対生葉で、葉が左右に、相対してつく。
●イヌツゲ―互生葉で、葉が左右に、互生してつく。
さしながら 昔を今に つたふれば 玉の小櫛ぞ 神さびにける
(院が帝でわたしが斎宮として下向の時に挿していただいた玉の小櫛も 今ではすっかり古くなってしまいました)  

 院はこれをごらんになって、しみじみと懐かしく思い出されることもある。中宮がじぶんと同じように幸せになってほしいと譲られた、とても名誉ある櫛なので、院のお返事も、昔の悲しいこと(失恋)には触れないで、

さしつぎに 見るものにもが 万代を つげの小櫛の 神さぶるまで
(あなたに続いて姫宮が幸せになるのを見たいものです 千秋万歳と教える黄楊の小櫛が古くなるまで)  

 とお祝いの返歌をなさる。                                  
[若菜上]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
君なくはなぞ身装はむ櫛笥なる黄楊の小櫛も取らむとも思はず
(あなたがいないなら どうして身を飾るでしょう 櫛箱にある 黄楊の櫛さえ 手 にしようとは思わない)
播磨娘子(巻九―一七七七)
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