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名前
桐(きり)
別名
漢語の別名として白桐、泡桐、榮。
学名
Paulownia tomentosa
学名の属名Paulowniaは、シーボルトが当時のオランダ王妃に献名した名。
分類詳細
落葉広葉樹 ゴマノハグサ科
5〜6月
8〜15m
 桐壺帝の寵愛を一身に集めた桐壺の更衣は、局として清涼殿からもっとも遠くて不便な淑景舎(しげいしゃ)を与えらた。淑景舎は庭に桐が植えられてあるので、桐壺ともいう。
 古来中国で、瑞兆第一にあげられる鳳凰は、桐の木だけにとまるという伝説を踏まえて、紫式部は光源氏の出生を桐壺に設定している。
 そして、母である桐壺更衣、亡き母の面影の代償である藤壺の宮、最愛の妻紫の上という光源氏の人生に多大な影響を与える三人の女性を、桐、藤、紫の草木になぞらえ、この三様の草木の、花あるいは根が紫で関連づけられることから、紫色を高貴の象徴として描写している。

※鳳凰―古代中国で、麒麟麟・亀・竜とともに四瑞として尊ばれた想像上の霊鳥。くちばしは鶏、あごはつばめ、背中が亀、尾は魚、首はへび、前部が麒麟、後部が鹿に似て、聖徳の天子の兆しとして出現すると伝えられる。鳳は雄、凰は雌という。

 さて、清少納言は『枕草子』で桐のことを次のように述べている。

 桐の木の花、紫に咲きたるはなほをかしきに、葉の広ごりざまぞ、うたてこちたけれど、異木どもとひとしう言ふべきにもあらず。唐土にことごとしき名つきたる鳥の、えりてこれにのみゐるらむ、いみじう心ことなり。まいて琴に作りて、さまざまなる音のいでくるなどは、をかしなど世の常に言ふべくやはある。いみじうこそめでたけれ。
(桐の木の花、紫に咲いているのはやはり美しいけれど、葉の広がり方が、いやに大げさな感じがするけれど、ほかの木と一緒にして言ってはいけない。中国でものものしい名前のついた(鳳凰という)鳥が、選んでこの木だけにとまるほど、格別に感じが違っている。まして(この木を)琴に作って、さまざまな音が出て来るのを、「素晴らしい」などとありきたりの言葉で言っていいだろうか。本当に素晴らしい木だ)

 桐は日本と朝鮮半島を原産地とし成長がとても早いのが特徴。
 江戸前期の儒学者であり、本草学者でもある貝原益軒は、『大和本草』で「此木切レバ早ク長ズ、故ニキリト云フ」と記して桐の語源を「切り」だと述べてる。
 一方、花が筒型であることから筒=桐が語源という説もある。
 更衣のお部屋は桐壺である。帝が大勢の女御や更衣の部屋を素通りしてしばしば桐壺へ行かれるので、女御たちがいらいらなさるのももっともである。更衣が参上なさるときも、あまり度重なるときは、打橋や渡り廊下のあちこちの通り道に汚物などをまき散らして、送り迎えの女房たちの着物の裾を台無しにしてしまい、また、ある時には、どうしても通らなければならない廊下の戸を閉めて閉じ込め、こっちとあっちでしめし合わせて辱めたり困らせたりすることも多かった。               
[桐壺]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
大伴淡等の謹状 梧桐の日本琴一面 対馬の結石山の孫枝なり
(大伴旅人の謹状 桐の和琴一面 対馬の結石山のひこばえです)
(巻五―八一〇の前文))
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