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名前
杉(すぎ)
別名
倭木(すぎ)
学名
Cryptomeria japonica
分類詳細
ヒノキ科スギ属 常緑針葉樹
3〜4月
50m
建築、建具、土木、船舶、車輛、家具、器具、樽、桶、はし
 杉は日本の特産で、古名は真木(まき)である。現在では漢字表記に「杉」を用いているが、本来は「倭木」が正しい。京都北山には、北山杉の特産がある。杉は多く植林であるが、九州の屋久島には野生している。
 雌雄同株で、早春開花し、卵球形の球果を結ぶ。寿命が長く、高さ50メートル以上、直径5メートル以上の巨木となるものもある。材は芳香があって木目がよく通り、軽くて軟らかい。花粉はアレルギーの原因になることが多い。
 ここは参詣に集まってくる人々の様子が、見下ろせる場所である。前を流れている川を、初瀬川といった。右近が、

ふたもとの 杉のたちどを たづねずは ふる川のべに 君をみましや
(二本の杉が立っている この初瀬にお参りしなかったら 古川のほとりで姫君に会うことができたでしょうか)  

 うれしき瀬にも(お祈りしたかいがあって)(祈りつつ 頼みぞ渡る 初瀬川 うれしき瀬にも ながれあふやと [古今六帖])」  
 と申し上げる。 

初瀬川 はやくのことは 知らねども 今日の逢ふ瀬に 身さへながれぬ
(流れの早い初瀬川の昔のことは知らないけれど 今日あなたにお会いすることができて うれし涙にこの身さえ流れてしまいそうです)

 と言って泣いていらっしゃる姫君の様子は、とても感じがいい。
[玉鬘]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
何時の間も 神さびけるか 香具山の 桙杉が本に 苔生すまでに
(いつのまに 神々しくなったのか 香具山の 桙杉の根本に かずらが這うほどに)
鴨君足人(巻三―二五九)
石上 布留の神杉 神さぶ る恋をも我は 更にするかも
(石上の 布留の神杉のように 年甲斐もない 恋さえも わたしはまたするだろう)
 読人しらず(巻十一―二四一七)
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