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名前
樒(しきみ)
別名
香の木(こうのき) 香の花(こうのはな) 香芝(こうしば) 抹香木(まっこうぎ) はなの木 はなしば
学名
Illicium anisatum
分類詳細
シキミ属 常緑高木 マツブサ科
3〜4月
6〜10m
線香 抹香(葉)
 シキミは有毒植物である。種子は特に毒性が強く、食べると嘔吐や痙攣、呼吸困難などを起こす。
 名前の由来は、「悪しき実」の「悪(あ)」が略されてつけられたといわれる。また、「実が枝に重(し)げくつく」というので、「シゲミ(重実)」が「シキミ」と呼ばれるようになったとも言われる。広島では、「シキビ」と表記している園芸店が多い。
 「はなの木」「はなしば」の名前は、墓前や仏壇、葬式など供えられ、花の代わりに用いられるからである。
「定めのない世の中とはわたしだけが感じていると思っていましたのに、
『先を越された』  
 と言われてみれば、たしかに、

あま舟に いかがは思ひ おくれけむ 明石の浦に いさりせし君
(わたしの出家の舟にどうして乗り遅れたのでしょう 明石の浦でもっと素敵な人にお会いなったからでは)

 回向は一切衆生に施すもの。もちろんその中にはあなたも」  
 とある。濃い青鈍色の紙に書いて、樒(仏前に供える木)にさしてあるのは、出家の身ならありきたりの趣向だが、とてもしゃれた筆づかいは、昔と変わらず美しい。                                     
[若菜下]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
奥山の しきみが花の 名のごとや しくしく君に 恋ひ渡りなむ
(奥山の しきみの花の 名のように しきりにあなたを 思い続けることです)
大原真人今城(巻二十―四四七六)
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