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名前
出雲大社の藪椿
(いずもたいしゃのやぶつばき)
学名
Camellia japonica
分類詳細
双子葉植物離弁花 常緑高木
ツバキ科
2〜4月
5〜15m
 栽培のツバキは、ヤブツバキの栽培変種である。源氏物語の時代の椿は、栽培変種のない時代だから、藪椿のことである。
 椿の栽培は1624年(寛永元年)頃から始められている。ツバキの花は首から落ちるので、武家は嫌ったが、僧侶は好んで栽培した。
 ツバキの漢字は山茶で、椿は和字である。
 ツバキという名は、厚葉木(あつばき)が語源といい、また葉につやがあることを意味する津葉木からきているとも言われ、日本の最も古い花の一つである。  
 源氏の君がこちらをごらんになって、
「上達部の席が階段では、軽々しいな。こちらへ」  
 とおっしゃって、東の対の南面にお入りになるので、皆そちらへ行かれる。兵部卿宮も、席を変えて世間話をなさる。それ以下の殿上人は、簀子(すのこ)に円座を敷いて座り、気楽に、椿餅(つばいもち)、梨、みかんといった食物が、いろいろと箱のふたに盛り合わせてあるのを、若い人々ははしゃぎながら取って食べる。適当な干物を肴にして、お酒を飲む。
[若菜上]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲ばな 巨勢の春野を
(巨勢山の つらつら椿を つらつらと 見ながら偲ぼう 巨勢野の春の景色を)
坂門人足(巻一―五四)
我が門の 片山椿 まこと汝 我が手触れなな 地に落ちもかも
(わたしの家の門の 片山椿よ わたしが手も触れないうちに散ってしまって 地に 落ちないだろうか)
 物部広足(巻二十―四四一八)
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